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【感想】漫画「マイ・ブロークン・マリコ」【後半ネタバレあり】

こんにちは!今回は平庫ワカ先生の短編漫画「マイ・ブロークン・マリコ」の感想を語っていきたいと思います!

本作を知ったきっかけが、去年冬くらいに恐らく作者様ご本人が、

Twitterに投稿していた本作の1話がバズっていたので気になり読んでみると、

あっという間に引き込まれてしまい、そのままの流れで単行本をkindle版で購入。

読み終わってみれば切なさで少し泣いていました。

それくらい刺さる人には刺さる作品だと思います。

本作は短編でありながら、第24回文化庁メディア芸術祭で漫画部門の新人賞を受賞、

このマンガがすごい!2021オンナ編で第4位など、

輝かしい受賞歴を持つ作品でもあります。

本作は映画化もされる予定で、公開は2022年9月30日予定となります。

映画の詳細な情報は、下記公式サイトリンクからどうぞ!

また、本作はAmazonにて単行本・kindle版も発売されていますので、

そちらもご興味があればどうぞ!1巻のみで完結のため、購入しやすいです。

Amazonから試し読みも出来ますよ!

Amazon.co.jp: マイ・ブロークン・マリコ (BRIDGE COMICS) eBook : 平庫 ワカ: Kindleストア
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あらすじ

口も態度も悪いOLのシイノは、昼休みに定⾷屋で親友・マリコの突然の⾃殺を知る。マリコが両親から虐待されていた過去を知る彼女は、せめてこれから自分にできることを考え、彼女の遺⾻をマリコの実家から盗み出すことを決意した。強奪した遺⾻を抱え、シイノは最初で最後の彼女との旅に出る。まったく異なる性格ながら、ともに孤独を知る2人の魂の結びつきを描く切ない友愛の物語。虐待を受けて育ったマリコのどこか壊れた不安定さや、そんな彼女を時に苛立たしく思いつつも寄り添ってきたシイノがその死に直面して激しく揺れ動く⼼情が、スピード感のある作画により強いリアリティを持って迫ってくる。卓抜した表現⼒が光るデビュー作。

マイ・ブロークン・マリコ – 文化庁メディア芸術祭 – JAPAN MEDIA ARTS FESTIVAL (j-mediaarts.jp)
マイ・ブロークン・マリコ 個人的評価
   おすすめ度      ★★★☆☆   
ストーリー★★★★★
作 画★★★★☆
演 出★★★★★

短編ならではの余分な部分のない、それでいて人の心に残る良いストーリーでした。

主人公が旅に出たりするので、ロードムービーが好きな方はきっと気に入ると思います。

ただ、内容はひどく重いです。

グロテスクなシーンがあるわけではないですが、主人公たちの置かれた暗い境遇(生々しいDVシーン、親の離婚など)の現実感が強すぎるため、心がひどく弱っている方にはお勧めできない作品です。

弱っていたり、疲れている方はとりあえずゆるキャン△を見られることをおすすめします。癒されますよ。

反面、自分にとって大事な人や、ペットを亡くした方などにはちょっとだけ救いになるような、非常に人を選ぶ作品だと思います。

自殺してしまった友人に対してどう心の整理をつけ、これからどう生きていくのかという部分も本作のキーワードの一つだったと思います。

作画はきれいです。力の入れるところは入れ、ギャグシーンなどではいい意味で力が抜けており、

メリハリのある絵柄だと思います。

そして本作は演出がかなり素晴らしいと思いました。

主人公シイナの心境を演出や過去の一部始終で表現することで余分な説明シーンをきれいにカットしていて、物語の没入感が増していたと思います。

マイ・ブロークン・マリコ ネタバレあり感想

さて、ここからはネタバレありで感想を述べていきますので、未読の方はご注意ください。


序盤のあらすじ

定食屋でラーメンを啜っていたシイナは、ニュースで親友・イカガワマリコの死を知ります。

死因は自殺。

シイナはひどく動揺します。

昼食の後控えていた営業訪問をバックレて家に帰ります。

シイナは自分がまだ何かマリコに出来ることはないかを考えた結果、

家に帰ってキッチンから包丁を取り出します。

マリコが過去に父親からDVを受けていたことを思い出し、マリコの遺骨をマリコの父から救い出すことを決めたシイナ。

翌日、マリコの実家に訪問します。

玄関に出てきたのはマリコの父の再婚相手タムラキョウコ。

シイナはヘタクソな営業と小芝居でキョウコの同情を誘い、家に入ることに成功します。

奥に入ると仏壇にマリコの写真と遺骨が飾られており、

マリコに暴力を振るっていた父親が手を合わせていました。

部屋に入るなりすぐに仏壇の遺骨を強奪するシイナ。

父親は何が起きたかわからず困惑しますが、

仏壇が壊れたことに怒り、シイナを蹴り飛ばします。

一方的に殴られるシイナですが、この時のために仕込んだ包丁を取り出し、

叫びながらマリコの父に訴えます。

「こっ!!高校生の時ッ……実の娘を強姦したテメェに」

「中学生だった実の娘を奴隷扱いしてやがったテメェに!」

「小学生だった実の娘から母親奪ったテメェっ!!テメェに!!」

「弔われたって!!白々しくてヘドが出ンだよォ!!!」

マリコ父はシイナにマリコの面影を見ます。

自分の名を名乗り、遺骨を持って窓から飛び降りようとするシイナ。

父親はシイナを取り押さえようとしますが、シイナはそれを躱すように窓から飛び降ります。

飛び降りた際、一瞬頭上にマリコの幻影を見るシイナ。

そのまま転げ落ち、川に頭から突っ込みます。

マリコの実家ではキョウコがマリコ父にあんたが全部悪いと泣きながら叫んでおり、

その声はシイナにも届くほどでした。マリコの遺影写真に涙をこぼすマリコ父。

それを後目にシイナは遺骨を持って裸足で駆け出しました。

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