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「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 感想 ネタバレあり 愛する人へ送る、最後の手紙

こんにちは!今回は人気アニメシリーズ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の完結編と位置付けられている「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の感想です!

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は暁佳奈さん原作ライトノベルを2018年1月より、京都アニメーション制作の元TVアニメ化された作品シリーズです。

手紙を介し、いろいろな人達の人間関係や苦悩を癒していく内容が人気を呼び、アニメ放映後も、2019年に、映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝- 永遠と自動手記人形 -」が公開、その約1年後の2020年、今作「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が公開された運びとなります。

私もアニメはリアルタイムで追っていたのですが、外伝と劇場版は触れておらず、最近Netflixで視聴しました。続編ね~と休日の暇つぶしに見たつもりが、両作品とも見事号泣

2年ぶりという事もあって完全に油断しておりました。そうだ、こういう作品だったと思い知らされました。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」シリーズは配信サービスでは2022年6月現在Netflixのみの配信となります。

Blu-ray&DVDはすでに発売されております。商品の詳細は下記公式サイトリンクよりご覧ください。

Blu-ray&DVD | 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』公式サイト (violet-evergarden.jp)

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代筆業に従事する彼女の名は、〈ヴァイオレット・エヴァーガーデン〉。

幼い頃から兵士として戦い、心を育む機会が与えられなかった彼女は、

大切な上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア〉が残した言葉が理解できなかった。

──心から、愛してる。

人々に深い傷を負わせた戦争が終結して数年。

新しい技術の開発によって生活は変わり、人々は前を向いて進んでいこうとしていた。

しかし、ヴァイオレットはどこかでギルベルトが生きていることを信じ、ただ彼を想う日々を過ごす。

──親愛なるギルベルト少佐。また今日も少佐のことを思い出してしまいました。

ヴァイオレットの強い願いは、静かに夜の闇に溶けていく。

ギルベルトの母親の月命日に、

ヴァイオレットは彼の代わりを担うかのように花を手向けていた。

ある日、彼の兄・ディートフリート大佐と鉢合わせる。

ディートフリートは、ギルベルトのことはもう忘れるべきだと訴えるが、

ヴァイオレットはまっすぐ答えるだけだった。「忘れることは、できません」と。

そんな折、ヴァイオレットへ依頼の電話がかかってくる。依頼人はユリスという少年。

一方、郵便社の倉庫で一通の宛先不明の手紙が見つかり……。

Story | 『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』公式サイト (violet-evergarden.jp)

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 個人的評価

おすすめ度★★★★☆
ストーリー★★★★★
演技★★★★☆
音楽★★★★☆
演出★★★★★

アニメシリーズの時から変わらず映像美は圧巻です。さすが京都アニメーションです。

美麗な背景に加え、作画崩れが無いこともすごいのですが、キャラクターの細かい所作や目線の動きなどで、感情が伝わりやすく作られていました。

アニメからそれなりに時間が立っているのか、キャラクターの心境の変化が垣間見えたような気がして面白かったです。随所に細かい配慮が垣間見える作品はいいですよね。何度見返しても発見があって、それが考察とかにも繋がったりしますしね。

ストーリーも素晴らしかったです。今まで登場したキャラクターのその後をさりげなく描いてあったりして、いままでヴァイオレットが繋いできたものがちゃんと“現在”も活きているところが優しい作品だなあと感じました。

本作品を見る前に、アニメと外伝を視聴することをお勧めします。ある程度振り返りの描写はあるものの、前が分かっているとより感動できる映画です。

ここからはネタバレありで感想を述べていきますので、未視聴の方はご注意ください。

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 感想とあらすじ 【ネタバレあり】

映画の冒頭、暗がりの道が映し出され、【sicerely】という単語が出てきます。

sicerely(シンシアリー)には、「心を込めて」という意味があり、軽く調べた限りでは、手紙を書く際、海外で敬具としてよく使われる単語のようです。

アニメ版「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」OP曲のタイトルも「Sincerely」でしたね。

そしてその後、見覚えのあるサンルーム付きの家が現れます。そしてなんと、物語の始まりはヴァイオレットがいた時代より、未来の現代。最初に登場した女の子はアニメ版10話で登場したアンの孫です。

まさか2世代もまたいでしまうとは…詳しい時代設定はわからないですが、アンの自宅の黒電話や走っている車を見る限り、1960年くらいの文明レベルでしょうか…この時点でアンは亡くなっており、葬式が執り行われた直後のようです。

アンの孫の名は、デイジー。デイジーは、絶賛反抗期のようです。祖母が亡くなった悲しみもあり、母に辛く当たります。母は医者のようで、仕事が忙しく、晩年はあまり会うことが出来なかったようです。

葬式も終わり、仕事のためにすぐ帰ろうとする母にデイジーはまた母に冷たい言葉を浴びせます。

これ、めちゃくちゃ言いたくなるデイジーの気持ちもわからなくはないですね。大好きな祖母が亡くなり、その感情をぶつける先がなくて身近な人にあたってしまうんだと思います。

母にばっかり当たって父には反抗しないところに妙なリアルを感じました。いつも娘に優しく接する父と反して、良くも悪くも母は等身大で子供に接して知るんでしょうね。多忙であまり子供に構えないことを加味しても、客観的に見たら良い両親です。

そんなデイジーに父は、アンが生前大切にしていた50通の手紙のことに触れます。昔、自動手記人形(ドール)という手紙を代筆する女性がいた事、アンの母がドールに代筆を依頼し、アンの誕生日に50年間毎年手紙が届くようにしたこと。

この時代ではさすがにドールは廃れたようで、若い世代にはあまり認知されていないようです。当時では最先端の職業が、技術の発展により、もはや過去の遺物の様な扱いを受けるのは何とも虚しさがあります。

仕事に戻る両親とは離れ、デイジーはしばらく祖母の家に滞在することにします。両親が帰った後、母に辛く当たったことに自己嫌悪しつつ、50通の手紙に目を通すデイジー。

箱の底に一枚の新聞の切り抜きを見つけます。そこでデイジーはヴァイオレットのことを知るのですが、ここでヴァイオレットが18歳で新聞社を辞めていることが発覚します。

この時点でちょっと悲しくなります。 何があったのか不安になる描写です。

時は移り、戦後のライデン。ヴァイオレットは海への感謝祭という式典に参加しています。海への賛歌という文章の制作をヴァイオレットが請け負ったからのようです。

式典の後、会社のおなじみメンバーと合流します。みんな相変わらず仕事を続けているようですが、エリカの姿が見当たりません。

その後の市長との会話や、出店でブローチでもヴァイオレットは少佐のことを思い出しています。

ここでエリカが登場し、アニメ7話で登場した、劇作家のオスカーに弟子入りし、郵便社を辞めているようです。

祭りを後にし、夜な夜な仕事をするヴァイオレットですが、また少佐のことを思い出してしまい、少佐への手紙を綴るヴァイオレット。

時間が経って周りが少しづつ変化していく中、なんだかヴァイオレットだけが前へ進めず取り残されているような印象を受けました

バイオレットは休日、ギルベルト少佐の母の墓参りに行っていました。そこで少佐の兄のディートフリート大佐にばったり会います。

ディートフリートにギルベルトをあきらめろと言われますが、ヴァイオレットは忘れることは難しいと答え、その場を後にします。

アニメ以降、少し丸くなった印象のディートフリート。ヴァイオレットのことを彼なりに理解しようとしているのでしょう。また、ディートフリートもギルベルトのことを忘れることは難しそうです。

ディートフリートは、ヴァイオレットが去った後、ヴァイオレットのリボンが地面に落ちていることに気付きます。

その後郵便社に戻った、ヴァイオレットは郵便社の電話を取ります。電話の相手は子供のようです。

ヴァイオレットは電話の依頼人の元へ向かいます。ついた先は病院。依頼主は入院中の少年でした。

ヴァイオレットが病室に入ったすぐ、少年の家族がやってきます。少年はヴァイオレットに見隠れるように言います。父と母、そして少年の弟が入ってきました。

少年の名前はユリス。ユリスの家族が出ていったあと、状況の説明をします。

自分が病気であること、自分が死んだ後に家族に手紙を出したいこと

ヴァイオレットはお子様価格があると言い、ユリスの依頼を受けます。

夕方、テニスを終えた二人が郵便社に顔を出すと、ディートフリートとばったり会います。

そこにヴァイオレットも現れ、ディートフリートから落としたリボンを受け取ります。

受け答えとかを聞くとほんとに丸くなったな大佐…と感じました。

別れ際、ディートフリートからギルベルトと子供の頃使っていた船を処分する。ギルベルトが子供の頃使っているものもあるからもしほしいものがあればとヴァイオレットに言います。

伺いますと語気を強めるヴァイオレットに、ホッチンズ社長は心配そうな目を向けます。

ディートフリートは丸くなったと言いましたが、虚勢を張れないくらい参っているのかなとも思いました。彼もヴァイオレットと同じように未だ弟の死から前に進めていない人間という事でしょう。

そしてそんな危ういヴァイオレットをずっと子供の用に面倒を見てきたホッチンズ。かつてヴァイオレットを利用したディートフリートと一緒に行かせていいのか迷います。

ホッチンズはその後の会食で船に行くのか尋ねるとヴァイオレットは当然肯定します。

自分も行こうかと提案するホッチンズですが、ヴァイオレットに「心配や道場や過保護は社長の中から可能な限り排除していただいて構いません」とやんわり断られます。

心配性な父とそれを鬱陶しがる娘の構図に近いですね。ホッチンズが子離れするべき時も近いかもしれませんね。

その後ディートフリートと船を訪れたヴァイオレット。船の中でディートフリートは過去に弟に対して上手く接してやれなかったことを後悔していると語ります。

そして、船を出た後ディートフリートは墓前の忘れろという発言について謝罪し、自分も忘れることなどできないとつぶやきます。

その後、再びユリスの元を訪れるヴァイオレット。3通の手紙を代筆します。

ユリスは弟に送る手紙の内容について悩みます。ヴァイオレットは弟が生まれたことについて書くのはどうかと提案します。

ユリスは弟が生まれたとき嬉しかったことを言います。そのあとを「でもそれがだんだん嫉妬に変わり、両親を取られるような気持になった、でも弟が後を追いかけてくると可愛かったり。」とヴァイオレットがユリスの気持ちを代弁します。

自分気持ちを見透かされ、なんでも知ってんだねと尋ねるユリスにヴァイオレットは、

「言葉にも態度にも気持ちにも表と裏があって、目に見えるものが全てではないのだと、少しづつ分かってまいりました。でも本当の気持ちは____ 伝えなければ、わからない場合も多いです。」と話します。

アニメ1話のロボットのように無機質で「少佐」しか知らなかったヴァイオレットが、他人の気持ちを代弁し、思いやりの元アドバイスする。

「少佐」の死から気持ちだけは前に進めていないけど、本人は手紙や依頼人を通して確実に成長しています

父と、母と、弟に宛てた手紙が完成し、ユリスは自分が天国にいったその日に渡すようヴァイオレットに伝えます。

その後ヴァイオレットとユリスは必ず手紙を渡すと指切りをし、その場を後にしようとします。

それをユリスは引き留め、リュカにも手紙を出したいと言います。それをヴァイオレットはお代は👍と快諾しますが、ユリスの病状が突如悪化し、苦しみだします。手紙はまた今度にしましょうと言い、ヴァイオレットすぐに医者を呼びます。

その一方、ホッチンズは差出人不明の手紙の中から、気になる手紙を見つけます

その後ホッチンズはディートフリートの元を訪れ、気になる手紙を見せ、差出人を調べるよう依頼します。手紙の筆跡に思い当たりがあるのか、ディートフリートも驚きます。

 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を見終えて

まず、本当にヴァイオレットとギルベルトが出会うことが出来て、また、幸せを掴むことが出来て本当によかったと思いました。

ただ、個人的にはギルベルトのうじうじした態度に視聴中怒りを隠せませんでした(笑)

ギルベルトの気持ちもわかります。仕方なかったとはいえ、幼い女の子を戦場に駆り出し、結局武器として扱ってしまっています。さらに、そこでヴァイオレットは両腕を失う大けがを負っています。確かに罪悪感でいっぱいでしょう。

ですが、シリーズを通してヴァイオレットの成長や、いつまでも冷めない恋心を見ている身としては、お前しか幸せにできんのや!何してんねん!今までの話くらい聞いてけ!と憤ってしまいました。

しかし、相手が取り乱している時こそ手紙のほうがしっかり思いを伝えられたということでしょうか。この作品に相応しい気持ちの伝え方ですよね。

ディートフリートもギルベルトと再会できて良かったです。話の内容が叱咤と激励なのはいかにも彼らしいと思いました。その後の兄弟の交流については不明ですが、きっと不器用な彼らなりに友好的にやっていることでしょう。

ユリスも手紙は書けなかったものの、最終的に電話でリュカと話すことが出来てよかったです。

弟の手紙を読むシーンが辛かったです。今は、弟は兄の死なんて考えもしないでしょうが、それでもいつか大きくなって、自分に良い兄がいた事を手紙を通して伝わればと思います。きっとあの手紙で家族の悲しみも少しは晴れると願います。

ホッチンズやカトレア達郵便社のメンバーのその後ももう少し知りたかったですが、きっとそれは蛇足ということでしょう。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の話ですものね。

さて、今回は「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の感想でした。いつか外伝、アニメシリーズにも触れたいです。それではまた!

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